Toward ICT4D

青年海外協力隊 平成28年度2次隊 PNG コンピュータ技術職のなんたらかんたら

【第五号報告書】2年間の活動のまとめ。最終報告書!!

帰国まで残り1ヵ月弱。青年海外協力隊としての活動もほぼほぼ終わりです。ここでは、第4号報告書に引き続き、第5号報告書を公開します。

 

 

 

第5号報告書の目的


第5号報告書では、配属先とともに活動終了時における総合的な評価を行い、今後配属先がボランティアの活動を活かしていけるかについての方向性を確認。

ということで、2年間の活動を振り返りと、細かな活動結果を活動結果表に書き起こして、合わせて提出します。
ぼくの活動結果表は末尾に貼り付けています。

 

報告書要約

もともとはICTインフラの発展に寄与したいとの思いで参加した青年海外協力隊であったが、配属先州政府の予算不足もあり、大きく貢献できなかった。代わりに細々とした現地のニーズを拾い上げるような日々で、希望の多かったPC修理をベースにITサポートを実施。時折申請していたPC教室の備品購入も学校から予算が下りなかったため、今年からPC修理の有償化に踏み切った。CP(カウンターパートナー)も「これまで気が引けていたので嬉しい」と言ってくれ、離任後もPC修理と備品購入のサイクルが続いてくれればと思う。
人材育成に関しては、直接的には最低限の活動をしたといった自己評価である。教員未経験、語学のハンデのある中でクラスコントロールと分かりやすい授業が2年間の課題であった。口頭ベースでの授業は語学スキル上の限界を感じたため、授業は主に実習ベースで実施。カラフルな資料やダイナミックなスライドショーなどMicrosoftオフィスでできることを先に見せ、課題を与えた上で要所だけを簡潔に話すといった授業で、振り返ってみれば、いかに教えず、生徒自身が興味を持ってパソコンを触るかを意識し続けた日々だった。
そんな生徒達とは自宅に招いて食事をしたり、伝統料理を作りに来てくれたりと日常的に慕ってくれる生徒も多くて嬉しかった。生徒からはトーライ族のクワヌワン語や文化を教えてもらい、生徒の要望でソーラン節を踊ったり即席の日本語講座を開いたり、お互いが力むことなく、興味をもった文化交流ができたと思う。生徒からすれば学内でただ一人の外国人であったが、この2年間の交流が、生徒達が海外に目を向ける機会になっていれば幸いである。 最後にJICA事務所、JICA PNG、調整員、JOCA、配属先、他のJICAボランティア、関係者の皆様と多くの方にサポート頂き、有意義な活動することができた2年間でした。ありがとうございました。

 

項目1. 活動結果

学校隊員として、Grade11、G12(高校2、3年生)を対象に1年目週22コマ、2年目週18コマを担当。半数近くの生徒が授業で初めてパソコンに触れるという状況であったので、基本操作に焦点を当て、座学よりも手を動かしたスキル開発を心がけた。また、同任地の先輩隊員が構築したオンライン教育プラットフォームを活用して、授業コンテンツを拡充。小テスト、アサイメントをオンラインで作成することで採点の簡易化や成績評価の工数削減を行い、教員不在時にも生徒が自習で学習できる環境を整えた。
課題の一つであったウイルス対策は、全教員66名と担当クラス350名の生徒に危険性と対策手順に関するワークショップを実施。学校内で誰でも最新のアンチウイルスソフトが手に入る環境を整えた。
その他、本年より有償化したPC修理は2年間で計130台の依頼を受け、生徒向き印刷サービスの収入と合わせて、920kinaの収入を得た。マウス9台、キーボード5台、インク4個、スイッチ2台、UPS1台を購入し、PC教室の備品として活用している。また、学内ネットワーク環境の構築など、周辺校5校に対してITサポートを行った。

 

項目2. 要請への妥当性

応募時の要請は以下の3点。
1. 週18コマ程度の授業の実施
2. IT科目教員の指導
3. 学内ネットワーク環境の改善

CPをはじめ、多くの人がサポートしてくれる環境でもあるので、ボランティアとして活動のしやすい配属先であった。特に校長は赴任当初からバイク購入を提案してくれるなど、周辺校へ影響ある活動となるよう気配りしてくれていた。
私の活動は日々の授業がメインの要請であり、CPとともにIT教員として授業と学内ITの運用を担当する日々だった。CPが充分なIT知識を持っていたため、相談役としての立ち回りが多かったが、向上心の高いCPのおかげで、新規Webサーバの立ち上げなども行えた。残念ながら学内ICT環境の改善は、州政府からの予算不足によりほぼ手を付けられなかった。なお、学内ネットワークはアンマネージドスイッチ(設定不要で接続するだけで使用できるスイッチ)で運用されており、多少の知識があればネットワーク構築未経験者でも運用可能である。ボランティアの成果となるよう配属先も気を使って学内ICT業務を割り振ってくれいる雰囲気も感じるが、CPが一人立ちして実施することも可能である。

 

項目3. 活動成果の配属先による活用の見込みと今後の配属先への支援の必要性

赴任中に導入したアプリケーションや教育コンテンツは離任後も活用されていくと思う。間接的には、予算不足の現状に対してPC修理サービスで備品購入資金を賄っているという活動を受け、校長が他の技術系教員へ学校内での収入を増加させられるよう指示していた。実現への障壁は高いが、授業内で家具や制服を作成し販売するフローなどが出来上がれば、生徒の自信にも繋がり、州政府の予算に縛られない学校運営ができるので面白い試みである。
配属先からは引き続き学内ICT環境の改善の要望が上がっているが、授業に充分な環境が整っており、CPも学内ICTを自立して運用していくスキルを持っているため、今後はCP以外の教員も高い品質の授業が行えるよう、教育水準の向上と教員育成へシフトしていくべきだと考えている。州内トップ2の学力の高校であるので日本との関係性を踏まえて継続的にボランティアを派遣するのも大切な一方、配属先のIT科目の質で言えばボランティアの撤退、自立した運営を考えてもいい段階にあるため、後任ボランティア赴任後にボランティア調整員と配属先の3者で今後の支援のあり方について場を設けて議論してもらいたい。

 

項目4. ボランティア経験について

ココポの現地部族トーライ族で通過儀礼を受け、同じ釜の飯を食べて、1本のタバコを吸い回し、同じ酒を飲む。テレビ番組で体当たりレポートしている世界が、この2年間、常に目の前に広がっていた。考えや文化の違いからすれ違うこともあったが、常に日本人として配慮してくれた村の人々、ココポの人々に感謝が尽きない。
トーライ族の日常は、悪く言えば怠惰でずぼら。しかし、時間にも失敗にも寛容でどこか牧歌的な匂いを感じる日々にこそ、社会的な魅力があった。日本は真逆で勤勉さや誠実さの中に魅力があると思う。相反する2つだが、どちらも違ってどちらも良い。出国前は途上国というと貧困や物乞い、病気など「なにか問題を抱えている。手助けしたい」という想いが強かったが、それは先進国からみた途上国というフィルターであった。文化、思想、生活水準と、日本と根本的に違う途上国では、そのフィルターを持っていては本質的な理解には至らない。もし他国へ行っても、日本との違いを受け入れられないと感じる。パプアニューギニアでの活動は、そういったありのままを受け入れる姿勢、「途上国=可哀想」と勝手に抱いていた意識を変化させてくれた2年間であった。

 

項目5. 帰国後ボランティア経験を社会に還元又は発信するための方法と計画

帰国後は引き続き、国際協力の分野に関わり続けていきたいと考えている。ICTを軸にどのような地域・分野で活動か決めかねているが、パプアニューギニア大洋州のICTインフラの開発に関わることができれば、ミクロとマクロの両視点から現場の状況を把握できることができ、面白い進路になると思う。
また、応募時に青年海外協力隊の強みの一つとして「現地の生の情報を届けらること」の重要性を感じ、2年間の活動期間中、ブログとTwitterGoogleマップなどでパプアニューギニアの情報を配信してきた。パプアニューギニアは『地球の歩き方』が発刊されないほど、日本人にとって馴染みが薄い。日本語ベースの情報も少ない中で、誰もがアクセスできるところに正しい情報を提供すること自体に意味があると思う。また、帰国後はブログ更新が途絶えるボランティアも多く、ボランティアの帰国後の動向が見えにくいものとなっているので、引き続きブログとTwitterを軸にパプアニューギニアの情報配信と帰国後のボランティアという立場からOVに関する情報を発信していきたい。

 

活動結果表

 

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