青年海外協力隊OBの転職活動 希望年収の伝え方
転職活動で企業に提示する希望年収。ここでは2年間の社会人ブランクを経た青年海外協力隊OBが希望年収の伝え方をまとめます。
青年海外協力隊の市場価値は低い
転職活動を始めるにあたって、まず大切なことは自身の転職市場での価値を知ることです。ロバートウォルターズによれば、『「市場価値」とは個々のスキルや本人の人間性が、その時々における人材市場でどのように評価されるのかを示すものです。その基準は時代と共に変化していくもので、絶対的な数値や価値観があるわけではありません。』とあります。
が、青年海外協力隊帰国後の市場価値はとても低いです。
もう一度言います。
とっても低い!!
理由は簡単。
一度、転職サイトに登録してみてください。すぐに壁にぶつかります。
例えば、Google「転職サイト」で検索して、大手のリクルートのリンクをクリックしてみると...
1クリックで登録画面に飛びます。
で、登録内容を入れる訳ですが、現在の職種?現在の年収!?となる訳です。
現在の職種:無職
現在の年収:約200万円(現地生活費+日本での積立金)
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転職市場における市場価値とは、前職のキャリアと年収に紐づいています。そのため、2年間、日本代表の自負をもって頑張ってきたにも関わらず、帰国後の市場価値を数値で表すと絶望的に低い訳です。
どうやって希望年収を高く提示するか?
ただ、帰国後の市場価値が絶望的に低いというのは、「青年海外協力隊OBの転職活動 一般企業は協力隊の経験をどう評価するか」でも書いた通り、日本の転職市場の枠に青年海外協力隊の経験が当てはまらないためということを忘れてはいけません。逆に言えば、企業側に青年海外協力隊OBの市場価値を測るものさしがないので、アピール次第で自身に高い市場価値を付けることもできるということです。そんな青年海外協力隊OBが年収の提示で大切なことは1つ。提示した年収の理由を明確にすること。一般的な市場価値の算出方法に基づいていては正しい年収を提示できませんので、応募する側から裏付けされた年収を提示することが大切です。ここでは、私が転職活動のときに企業に説明していた一例をまとめます。
1. 前職の年収から計算
まずは基準となる年収の計算方法です。
考え方はシンプル。
前職を退職しなかった場合にもらっている現在の年収を提示します。
例えば、前職を退職する際の年収が380万円くらいだった場合、2年半後は430万円くらいもらってそうといった感じ。 もしくは前職で同期だった元同僚が帰国時にもらってそうな年収でもいいと思います。
2. 協力隊の活動をキャリアとして見せる
面接では、志望動機や自身の強み、さらには青年海外協力隊への応募動機など、様々なことが質問されますが、大切なことは論理的に説明することです。言い換えると、企業が納得できる形で回答することです。
希望年収も同じです。「1. 前職の年収から計算」で提示した額に説得力を持たせるには、2年間の協力隊活動をキャリアと見せることが一番シンプル。社会人として経験を積んだ後、2年間の活動を終えて帰国した今が一番成長した姿だと見せるわけです。
ここでいう成長した姿とは、「社会人経験と協力隊の経験を踏まえて、応募企業でどのように活躍ができるか」です。間違っても、現地での活動成果や協力隊としての自負などを多く語ってはいけません。それらはあくまで、活躍できることの根拠付けに過ぎず、大切なことは企業で活躍できる姿を見せることなのです。
3. 希望年収+20-30万円で提示する
最後はおまけ程度に+20-30万円ほど上乗せした金額で提示しましょう。
社会人に転職活動を行う理由の多くは収入の増加です。胸を張って、上乗せした金額を提示しましょう。もし企業側が高いと判断した場合、「少し高くない?」といった質問が飛んでくるかもしれませんが、「1.2.の理由で450万円にしました。もし高ければ、御社の基準に合わせます。」等軽く返せばいいと思います。
ちなみに、企業側は求人を出す段階で採用者に支払う年間予算(年収)をおおよそ決めており、応募者がどんな希望年収を提示していたとしても、企業は決められたお財布の中でしか給料を支払うことができません。そのため、もし応募者の希望年収が企業側の予算をオーバーしていた場合、年収交渉が発生します。(だいたいは最終面接、もしくは内定後に年収の話が出てきます。)ここで、上乗せされた+20-30万円が切り札になります。
年収交渉の場では、企業側は「できれば、この人材がほしい。ただ予算の都合上、希望年収を支払うことが難しい」と考えているわけです。
最終面接の際に、「20-30万円ほどの減額なら受け入れられる。それでも御社で働きたい」なんて熱意いっぱいに言われれば、企業も断る理由がありません。この+20-30万円ほど上乗せが最後のダメ押しで内定を後押ししてくれます。ただ、これはあくまで内定が欲しい企業への最後の切り札。自分からは差し出さない脇差のようなイメージで考えるといいと思います。
年収交渉の場ではどんな話をするの?
では、実際に面接の場でどのような話をするかというと、、、
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一次/二次面接:年収の話はなし
最終面接:希望年収の確認
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この程度です。
希望年収は応募時に提示しているため、ほとんど話題に上がりませんでした。もし年収の話になったとしても、一次/二次面接なら、企業側:「希望年収は450万円ということですね」応募者:「はい、450万円でお願いしたいと考えております」というやり取りがあるくらい。最終面接でも同じです。もしくは上で書いたような「予算の都合上、希望額より20万円程度低くなるがいいか?」といった年収交渉程度です。
反対に応募者側から年収の話を振ってはいけません。お金の話はやっぱりきな臭い感じがして企業側の心証が悪くなる可能性があると思います。逆に年収の話をするよりも、自身を売り込むための面接とするほうがより効果な時間になると思います。福利厚生などの詳しい相談は内定後にするのが〇です。
まとめ
半年ぶりの新記事投稿でしたが、青年海外協力隊OBの転職活動シリーズの中でもかなり書きたかった記事の一つがこの希望年収に関する記事でした。理由は2つ。人それぞれ状況は違いますが、青年海外協力隊OBの多くは「社会人経験を積み、協力隊での活動を経て、帰国後に転職活動を行う」という流れが一般的だと思います。そうすると転職経験のない20代でも履歴書上は3社目。もし入社した企業がハズレで再度転職活動を行うとなった場合、履歴書上は4社目。20代での転職活動は一般的に1-2回までですので、かなり不利な状況に立たされてしまうのです。
また、帰国後は自由を謳歌した20代から結婚などを見据えた人生設計に移っていく方も多いかと思います。別にお金がすべてでないこの世の中。お金で解決できることはお金で解決させてしまうのもありなんじゃないでしょうか。あって困らないお金ですし、入社した企業に多少のハズレがあっても収入が良ければ受け入れてしまるのも事実だと思います。ちなみに女性が結婚相手の男性に求める年収の最低ラインは「400万円」が最多となっているそうです。出典:結婚応援ブログ
まとめると...
地獄(結婚)の沙汰も金次第。
そんな記事でした。
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